[これって違法なの?!] 社内BGMを録音していませんか?
知らないと損する 法律・生活 規則シリーズ
これって違法なの?
何気なくやっているオフィスの行動が、実は著作権法や企業規約に触れているかもしれません。
オフィスや作業スペースで流れている心地よい社内BGMを聞いて、「いい曲だからスマホのボイスメモでちょっと録音しておこう」「動画の背景音に使いたいから記録しておこう」と思ったことはありませんか?
個人のスマートフォンで行うだけの、誰にも迷惑をかけない行為に見えるかもしれません。しかし、この行動は日本の著作権法における 「複製権の侵害」 に該当する可能性が極めて高く、さらに会社を巻き込む重大な規約違反へと発展するリスクを秘めています。
なぜ社内BGMの録音が法的にNGなのか
音楽をはじめとする著作物には、著作者が持つ「複製権(著作権法第21条)」があり、権利者に無断でコピー(録音・録画)することは原則として禁止されています。
- 「私的使用のための複製(第30条)」の適用外:著作権法では、個人的にまたは家庭内その他これに準ずる限られた範囲内での利用(私的利用)目的であれば、無断複製を認めています。しかし、**「会社(オフィス)」という場所は法的に『公の場(公衆)』**とみなされるため、そこで行われる録音行為は私的複製の範囲を逸脱していると解釈されるケースがほとんどです。
- 商用BGM契約のライセンス違反:企業が導入している社内BGM(USENや店舗向けサブスクリプション等)は、権利者団体(JASRAC等)へ「その空間で再生すること(演奏権・上映権)」のみを目的として、特別な商用契約料を支払っています。個人がそれを録音することは、その音源ライセンス契約の想定外の利用にあたります。
音楽だけじゃない!オフィス特有の「二次的リスク」
さらに深刻なのは、BGMを録音する際に、周囲の「オフィスの環境音」が同時に記録されてしまう点にあります。
- 企業秘密・インサイダー情報の漏洩:録音された音声データの後ろに、同僚の会話、電話の内容、会議の音声、キーボードの打鍵音などが混入した場合、それは立派な 「社外秘情報の持ち出し(セキュリティ違反)」 となります。
- 会社の信用失墜と損害賠償:もしその録音データをSNSに投稿したり、動画のBGMとしてYouTubeにアップロードしたりした場合、著作権管理団体やBGM配信会社から企業に対して「契約違反・権利侵害」のペナルティや損害賠償請求が下る原因を自ら作ることになります。
「自分だけのメモだから」「誰も気づかないから」という軽い気持ちが、著作権侵害という違法行為だけでなく、会社の懲戒処分や情報漏洩トラブルを引き起こす引き金になりかねません。
トラブルを回避するためのスマートな代替案
音楽を安全に楽しみ、ビジネスパーソンとしてのコンプライアンス(法令遵守)を守るための正しい行動の選択肢です。
- 公式の配信サービス・楽曲特定アプリを活用する:流れている曲が気に入った場合は、録音するのではなく「Shazam」などの楽曲識別アプリを使って曲名だけを特定し、自身が契約する個人向けの音楽配信サービス(Apple Music、Spotify等)で正規に拝聴する。
- 社内の音を外に出さないルールの徹底:オフィスの音響空間は会社の資産であり、管理責任下にあることを自覚し、「スマートフォンの録音・録画機能」を安易に起動させない。
- 著作権フリー音源の活用:どうしても業務上の動画制作などでBGMが必要な場合は、社内BGMを拾うのではなく、あらかじめ商業利用が許可された「ロイヤリティフリー音源」を正規ルートでダウンロードして使用する。
まとめ
社内BGMの録音は、著作権法上の複製権侵害にあたるリスクが高く、オフィスの機密情報漏洩にもつながる危険な行為です。
現代のデジタル社会において、音源の取り扱いには厳格なルールが求められます。リスクを正しく理解し、不要な録音は絶対に避けましょう。
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