アルバイトだから退職金は出ない」と会社から言われた
これって違法なの⁈
同じ職場で3年間、真面目にシフトに入り、正社員とほとんど変わらない責任ある仕事をこなしてきたアルバイト・パート社員。
しかし、いざ退職することになった際、店長や社長から「お疲れ様。あ、うちは就業規則で『退職金は正社員のみ』って決まってるから、バイトの君には出ないよ」と当たり前のように告げられる。
「雇用形態が違うし、そういうものか…」と納得していませんか?実はこの問題、非常にセンシティブですが、条件次第では「不合理な待遇格差」として会社側の言い分がひっくり返る、いま労働界で最も熱い法的な盲点なのです。
日本の最高裁判所の判例や法律に基づくと、正社員と実質的に同じ労働をしている場合、パートだからという理由だけで退職金を1円も支払わない行為は『違法』と判断される可能性が極めて高いのです。
逃げ道なし!「同一労働同一賃金」を定めた法律の正体
非正規労働者だからといって、会社が都合よく労働条件に格差をつけることは法律で固く禁じられています。
- 【パートタイム・有期雇用労働法 第8条(基本原則)】:同じ会社で働く正社員と非正規社員(パート・有期契約)の間で、基本給や賞与、そして「退職金」などの待遇に『不合理な格差』を設けることを禁止しています(同一労働同一賃金ルール)。
- 【判断の3大基準】:格差が不合理かどうは、①職務内容(業務の責任度)、②職務内容・配置の変更範囲(転勤や異動の有無)、③その他の事情を総合的に考慮して判断されます。つまり、「名前はバイトだけど、やってることは正社員と同じ」であれば、退職金ゼロは法律違反になります。
最高裁が下した歴史的ライン!退職金格差を巡る「重要判例」
このテーマを語る上で、日本の労働判例の歴史を揺るがした最高裁判所の超重要判断を紹介します。
メトロビジネスサービス事件(最高裁 令和2年10月13日)
東京メトロの子会社で約10年間、売店(METRO'S)の販売員として勤務した契約社員たちが「正社員にだけ退職金が出るのはおかしい」と訴えた裁判です。
最高裁判所は、「退職金には功労報償や長年の勤務に対する報償という意味合いがある。業務内容が正社員と大きく変わらないのであれば、長年貢献した非正規社員に対して退職金を一律に全く支給しないことは『不合理な格差』であり違法(無効)である」と判断。会社側に損害賠償(本来払うべき退職金相当額)の支払いを命じました。
この判例により、「バイトだから一律ゼロ」という会社の古い常識は完全に崩壊しました。
会社から「退職金ゼロ」と言い渡された時の3つの正攻法
理不尽な雇用格差に立ち向かい、正当な権利を主張するための実践的ステップです。
- 1. 正社員との業務内容の共通点を証拠化する:「自分が正社員と同じシフト、同じ責任の仕事をしていた」ことを証明するため、シフト表、業務マニュアル、指示書のコピー、売上管理の記録などを手元に残しておきましょう。
- 2. 退職金に関する就業規則の開示を求める:労働基準法に基づき、会社にある「就業規則(退職金規程)」の確認を求めましょう。非正規社員への支給除外条項がどう書かれているかを把握することが出発点です。
- 3. 労働局の「ADR(紛争解決手続き)」や弁護士を利用する:不当な格差を個人の交渉で覆すのは大変です。各都道府県の労働局にある「総合労働相談コーナー」に相談すれば、同一労働同一賃金違反を理由に、会社に対して無料・非公開で「あっせん(是正勧告・仲介)」を行ってくれます。
困ったときの公的相談窓口
- 労働条件相談ホットライン: (非正規の待遇格差に関する専門相談が可能)
- 各都道府県 労働局(総合労働相談コーナー): 同一労働同一賃金に関する会社への指導や、金銭解決に向けたあっせん手続きを強力にサポートしてくれます。
- 法テラス: (経済的余裕がない場合でも無料の法律相談が可能)
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